
エアコン処分は家電リサイクルで!気になる取り外しやリサイクル料金
家電製品の寿命は、一般的に10〜15年といわれています。エアコンも家電製品の1つで、寿命はほかの家電製品と同様です。
古いエアコンを処分したいけれど取り外しができない・処分方法がわからない・粗大ごみに出すことができる?その悩み、とてもよくわかります。
エアコンは簡単に捨てられるごみではないため、正しい知識を持って処分することが大切です。今回は、エアコンの処分方法やエアコンの取り外しについてご紹介します。
- エアコンを粗大ごみで出すことができない理由
- 家電リサイクル料金について
- 買い替えと同時にエアコンを処分する場合
- エアコンをリサイクルで売却したい場合
- エアコン処分を不用品回収業者に頼む場合
- エアコンの取り付け・取り外しについて
- エアコン廃棄でよくある質問
- まとめ
この記事を読むことで、エアコンを正しく処分でき、地球環境保護にもつながるでしょう。
1.エアコンを粗大ごみで出すことができない理由
家電リサイクル法をご存じですか?2001年に施行された法律で、対象となる家電製品は家電リサイクル法に沿って処分することが求められます。エアコンを粗大ごみとして出すことができない理由は、家電リサイクル法が影響しているのです。
1-1.家電リサイクル法とは?
2001年に施行された家電リサイクル法は、4品目の家電製品を対象にメーカーの引き取りを義務づけたもの。ごみの排出者が家電リサイクル料金を支払い、廃棄する家電製品から有益な資源を回収してリサイクルすることを目的としています。
1-2.エアコンは家電リサイクル法対象品目
家電リサイクル法が適用されるのは、4つの品目。エアコン・テレビ(ブラウン管・液晶・プラズマ)・冷蔵庫・洗濯機が該当品目です。いずれも家庭用製品を対象としています。販売店またはメーカーによる引き取りを義務づけ、有益な資源のリサイクルを行うことで、ごみの量を削減しようという目的で導入されました。
2.家電リサイクル料金について
家電リサイクルには、品目別にサイズ規定され、定められた料金を支払うシステムが導入されています。
2-1.家電リサイクルにかかる料金
家電リサイクルに費用がかかる理由は、不用になったエアコンを解体して有益な鉄やプラスチックなどに分類するコストが必要なためです。取り出した有益物質は再利用され、再び商品化されます。リサイクルする過程に必要なコストを、家電リサイクル料金として徴収する制度です。家電リサイクル料金には、収集・運搬費用も含まれています。
2-2.エアコンの家電リサイクル料金は?
エアコンの家電リサイクル料金は、972円(税込み)です。回収運搬費用として500〜3000円(税込み)が必要となります。ただし、メーカーにより変動がありますので注意してください。
- ダイキン 972円(税込み)
- 富士通ゼネラル 972円(税込み)
- 山善 2041円(税込み)
- パナソニック 972円(税込み)
- 三菱電機 972円(税込み)
上記は一例ですので、メーカーに料金を確認しておくと安心です。
2-3.家電リサイクル券とは?
家電リサイクル券には、2種類の販売方式があります。販売店に支払う料金販売店回収方式と、自分で規定金額を振り込む料金郵便局振り込み方式です。
エアコンを処分する際には、どちらかの方法で料金を納めてリサイクルしなければなりません。
2-4.家電リサイクル券購入に必要な書類
販売店で手続きする場合、規定用紙に記入して料金を添えれば完了です。自分で処分するなら、郵便局で家電リサイクル券の購入をしてください。家電リサイクル受付センター宛(あ)てに振り込みをします。必要な書類は、下記のとおりです。
- 家電リサイクル券購入用紙
- エアコンの処分に必要なリサイクル料金
- 収集運搬料
家電リサイクル券購入用紙は、郵便局備え付けのものを利用してください。
3.買い替えと同時にエアコンを処分する場合
ほとんどの方が、買い替えるタイミングで処分を検討しています。新規購入する店舗で下取りしてもらえる場合もあり、自分で処分するより簡単です。
3-1.販売店によるエアコンの下取り・引き取り
下取りできるかどうかは、年式や型番でも大きく異なります。事前に購入する販売店へ確認しましょう。下取りしてもらえるなら、新規購入費用をまかなうことができ、費用負担を減らすことができるでしょう。
3-2.メーカーによる下取り・引き取り
新規購入するエアコンを、古いものと統一するとメーカーによる引き取りを受けることができます。特典のようなもので、対象となるのは年式が浅いものがほとんどです。
3-3.販売店別の引き取り方法
販売店ごとの引き取りについてご紹介します。料金の表示は税込みです。
- ヤマダ電機(旧機種を持ち込んで依頼。家電リサイクル費用は2041円、収集運搬料は1080円が目安です)
- ケーズ電機(製造メーカーへ引き渡してリサイクルします。家電リサイクル費用は1300円、収集運搬料は1000円〜です)
- Joshin(大きさに関係なく引き取り対応します。家電リサイクル費用は972円です。収集運搬料は買い替えなら1080円で、引き取りだけの場合は3240円となります)
3-4.買い替えと同時に処分するメリット・デメリット
販売店で新しい機種を購入し、旧機種を下取りしてもらえるなら、新規購入費用から下取り代金を差し引いてもらえます。新しいエアコンの購入費用を抑えられるのがメリットです。
しかし、買い替えを条件に掲げている販売店が多く、引き取りだけを依頼するのが難しいのがデメリットでしょう。
4.エアコンをリサイクルで売却したい場合
エアコンの処分には、家電リサイクル料金と収集運搬料が必要になり、経済的負担も大きくなる傾向があります。年式が浅いもの・型番などにより、買い取り対象となる可能性もありますので、売却を検討する方法も視野に入れてみましょう。
4-1.買い取りを行っているのは?
エアコンの買い取りをしているのは、リサイクルショップや不用品回収業者です。リサイクルショップは取扱品目に得意分野があり、ショップにより引き取り可能かどうか大きく差が出てきます。
その点、不用品回収業者の取扱品目は幅広く、エアコンなら引き取り可能というところが多いでしょう。
4-2.高く売れるリサイクル家電とは?
旧機種は、なるべく高く売りたいですよね。買い取り対象となるのは、製造から5年以内と新しいもの。同じものでもきれいに使っているものの方が、より高値になる傾向があります。売却前に細かな部分まで掃除を行い、値段が上がるように努力してみてください。
また、リサイクルショップは買い取り強化をしているものがあり、エアコンを積極的に買い取っているところを選ぶといいでしょう。
4-3.リサイクル家電のメリット・デメリット
リサイクル家電を上手に売却することができるなら、新規購入費用にあてることができ、経済的負担も軽くなるのがメリットでしょう。
注意したいのは、リサイクルショップ選びです。古物商の認可を受けているかどうかを確認してください。
しかし、売却する際に、リサイクルショップまで自分で運搬しなければならず、手間と時間がかかるのがデメリットです。不用品回収業者の場合、自宅まで引き取りに来てもらえますので、リサイクルショップより負担が少なくて済みます。
5.エアコン処分を不用品回収業者に頼む場合
電話1本で引き取り対応してもらえる不用品回収業者は、近年ニーズが高まっています。ただし、業者選びを誤り、トラブルに発展する恐れもあるため、依頼前にはしっかり知識を持つようにしてください。
5-1.不用品回収業者選びのポイント
無料をアピールする業者が横行していますが、家電リサイクル法に沿って処分するなら、無料ということはありえません。無料と謳(うた)う背景には、積み込み後に高額費用請求をして儲(もう)けようという考えがあるため。正しく家電リサイクルを行う回収業者なら、適正な家電リサイクル料金を請求するものです。
また、一般産業廃棄物収集運搬業の認可を受けている回収業者を選んでください。認可を受けていない回収業者による不法投棄なども深刻な問題になっています。事前に見積もりを出してもらい、追加料金発生の有無も確認してから決めましょう。
5-2.不用品回収業者の費用目安
エアコンの廃棄は、取り外しも含めて考えておかなければなりません。正しい知識がないまま取り外すのは危険です。トラブルを回避するためにも、取り外しから回収まで依頼できる不用品回収業者を利用するといいでしょう。費用目安は、下記のとおりです。
- 窓用エアコン 3150円(税別)
- セパレートエアコン5775円(税別)
- エアコン取り外し 5250円(税別)
5-3.エアコンの回収方法
不用品回収業者には、電話またはインターネットから見積もり依頼をしてください。複数の見積もりを出してもらい、比較検討するようにしましょう。
自宅に設置してあるエアコンを、室内を汚さずに撤去してくれます。エアコンの取り外しはガス回収をする必要があり、パイプ内のフロンガスを排出してから行うのが一般的です。むやみに取り外してしまい、エアコンの故障原因にもつながります。ガス回収はコツが必要なため、自分で無理にやらずに専門スタッフに任せるほうが安心です。不用品回収業者により、家電リサイクル料金だけで、取り外しはサービスで行ってくれる場合もあります。
6.エアコンの取り付け・取り外しについて
エアコンの取り付けや取り外しは、コツを知っているなら自分で手がけることもできます。しかし、誤った方法でエアコンの機能低下を招くこともあり、注意が必要です。
6-1.エアコンの取り付け・取り外しは自分でできるのか?
エアコンの取り外しに必要なのは、プラスとマイナスのドライバー・ニッパー・カッター・六角レンチ・モンキースパナ・ペンチ・エアコンキャップなど。配管用パテとビニールテープも用意しておくと安心です。
6-1-1.自分でエアコンの取り外しをする場合
取り付け・取り外しともに、搬入搬出経路の確認を事前にしておきましょう。注意すべきポイントは、フロンガスの排出を忘れずに行うこと。
取り外しには、パイプ内に残っているフロンガスを排出しなければ、故障の原因となってしまいます。売却を考えているなら、故障してしまっては売ることができなくなるでしょう。
取り外し方は、室内機と室外機の両方にあるバルブキャップを外し、エアコンを稼働してフロンガスを外へ逃します。少ししてフロンガスを排出できたところで、再びバルブキャップを閉めてエアコンを停止してください。電源プラグを抜いて配管を取り外し、エアコン本体を撤去します。
6-1-2.自分でエアコンの取り付けは可能か?
エアコンの取り外しは、フロンガスがきちんと排出されれば問題なく行うことができます。しかし、自信がない方は、専門スタッフに依頼するようにしてください。
取り外しより難しいのは、エアコンの取り付けです。新規設置する場合は、壁に穴を空(あ)ける作業も必要になります。配管の空気を抜いて冷媒ガスが充満するよう、真空引きという作業を行うのが一般的です。真空引きには、真空ポンプを用意しなければなりません。真空引きが十分に行われず、冷暖房効率低下の原因にもなります。真空引きの作業には、コツと技術が必要です。難しいようなら、専門スタッフに依頼した方が、エアコンを傷めずに設置できるでしょう。
6-2.フロンガスのポンプダウンはなぜ必要か?
フロンガスの排出をする作業を、ポンプダウンと呼びます。冷房運転で行い、フロンガスを内部から排出するのです。ポンプダウンを行わずに取り外してしまい、冷暖房効率の著しい低下や動かなくなってしまうトラブルを引き起こします。必ずポンプダウンを行ってください。
6-3.室外機の取り扱いについて
エアコンの処分時は、本体とセットで室外機の処分も行います。ポンプダウンを行い、室外機にガスを集めて封じ込めてください。室外機の取り扱いは慎重に行い、事故のないよう配慮が必要です。
6-4.取り付け・取り外しを業者に依頼する場合
エアコンの取り付け・取り外しは、専門知識が必要です。設置場所により、スムーズにできない場合もあります。無理に外してしまい、壁などに傷をつける恐れもあるでしょう。ポンプダウンがうまくできず、大事故に発展する可能性もあります。
専門知識のある経験豊富な業者なら、室内を汚すことなくスムーズに作業を終えることが可能です。費用はかかりますが、自分でやるより短時間で作業を終えられるメリットがあります。
7.エアコンの処分でよくある質問
エアコン廃棄についてよくある質問をご紹介します。
7-1.エアコンの取り外す知識があればできる?
エアコンの取り付け・取り外しには、電気やガスの基礎知識が必要です。そして、エアコン本体や室外機を持ち上げる力も求められます。設置場所により、高所で危険を伴うケースもあるでしょう。難しい場合は、無理せず専門スタッフに依頼する方が安心です。
7-2.廃棄したいエアコンが2台以上ある場合の費用は?
エアコンを廃棄する場合、台数に見合う家電リサイクル料金の支払いが必要です。しかし、収集運搬料は業者により異なります。複数台ある場合、2台目以降の収集運搬料がサービスになることもあるので、事前に確認しておきましょう。
7-3.不用品回収業者は土日祝日でも対応可能?
エアコンの廃棄を不用品回収業者に依頼する場合、忙しい方だと平日は難しいというケースもあるでしょう。不用品回収業者は土日祝日も対応可能です。希望する時間に来てもらえますので、日程調整を行ってみてください。
7-4.エアコン1台を取り外すのにかかる時間は?
標準的なエアコンなら、1台につき10〜20分程度で取り外しが可能です。高所に設置してあるエアコンだと長めに時間を見ておきましょう。
7-5.専門スタッフはどのような資格を持っているか?
エアコンの取り付け・取り外しを行うのは、電気工事士の資格者です。専門知識が必要な作業ですので、有資格者に依頼する方が安心でしょう。エアコンの事故や故障を回避できます。
8.まとめ
いかがでしたか?家電リサイクル法対象品目の1つであるエアコンは、正しくリサイクルすることで環境保護や有益な資源を再利用できます。自分で取り外しをすることも可能ですが、適切にガス回収を行わない限り、事故や故障の原因にもつながるでしょう。不用品回収業者では、専門スタッフによる安全な取り外しとリサイクル処分が行えます。エアコンの処分は、販売店もしくは不用品回収業者に依頼してください。不用品回収業者を利用するときは、一般産業廃棄物収集運搬業の認可がある業者を選ぶことで、不法投棄などを防ぐことができるでしょう。