桐タンスなどの婚礼家具はどうする?リメイク・買取・処分をご紹介
結婚する際に婚礼家具と一緒に嫁入りしていた時代が去り、住宅の狭小化によって不用となるケースが増えています。住宅そのものにクローゼットや押し入れが設置され、大きな婚礼家具を置くと邪魔というのも背景にあるのです。婚礼家具は桐(きり)タンスが代表的ですが、処分するとなればどこへ依頼すればいいのだろう。タンスをリメイクして再利用することはできるの?数々の疑問が湧く気持ち、とてもよくわかります。
今回は、婚礼家具の処分方法やリサイクルについてご紹介です。
- 婚礼家具とは?
- 婚礼家具を処分したい場合
- 買い替えによる婚礼家具の処分
- 自治体に婚礼家具の回収を依頼する場合
- 婚礼家具のリサイクルをしたいなら?
- 婚礼家具の処分を回収業者に頼む場合
- 婚礼家具でよくある質問
この記事を読むことで、タンスなどの婚礼家具を適切に処分し、すっきりした新生活を送ることができるでしょう。処分方法に迷うこともなくなります。買取なども上手に活用し、無駄なく再利用することも大切です。
1.婚礼家具とは?
若い世代には、婚礼家具は身近なものではなくなってきています。晩婚や核家族化も進み、ひと昔前のような婚礼スタイルから変化しているためです。まず、婚礼家具の定義を知っておきましょう。
1-1.婚礼家具の定義
婚礼家具は、新婦が嫁入りに際して持参する家具を指します。新婦が用意するもので、古くから日本では花嫁が婚礼家具とともに嫁入りすることが慣習となっていました。
1-2.婚礼家具の種類
着物を収納する桐(きり)タンス・縦長にできている洋服ダンス・さまざまなものを収納できる整理ダンスです。加えて、鏡台を持参することもありました。
1-3.婚礼家具の歴史
婚礼家具は、300年前から始まったとの説があります。大正・昭和の時代は、婚礼家具を持って嫁入りすることがほとんどでした。結納で収める風習もあり、見栄えのいいものが好まれていた家具です。
1-4.婚礼家具の目的
婚礼家具は、結婚する娘へ親から贈られる祝いの品です。紅白で彩られた包装で届く「名古屋式」もあります。花嫁がやってくることを知らせるため、華やかな儀式のように新居周辺を回ってから納入する動きもありました。親の思いを込めて、立派な桐(きり)タンスが好まれていたのです。
1-5.婚礼家具の現状
住宅事情が昔とは大きく変わり、今では婚礼家具を持参するケースが減りました。生活スタイルの変化による影響もあります。狭い住宅でも使い勝手がいいように、クローゼットや押し入れを活用し、場所を取る婚礼家具が不用になってきているのです。現代の結婚事情には合わないとされ、近年では持参する花嫁は激減しています。
2.婚礼家具を処分したい場合
引っ越しをきっかけに、タンスの傷みが気になりだしたためなど、処分を検討する理由は人それぞれです。
2-1.婚礼家具はどんなときに処分が必要?
婚礼家具はとにかく大きいというイメージがあるでしょう。確かに、一般的な6畳和室の半分くらいを必要とします。そのため、ほかにものを置けなくなるという事態に発展してしまうのです。広いスペースを確保したい・雰囲気を変えたい・用途が合わないなどの理由から、処分を考える方が多いでしょう。
離婚を機に引き取り手がなく、不用になることもあるのです。
2-2.婚礼家具の主な処分方法
婚礼家具の処分方法は、大きくわけて3つあります。
- 自治体で粗大ごみとして捨てる方法
- リサイクルショップへ買取依頼する方法
- 不用品回収サービスで処分する方法
婚礼家具はサイズも大きくて重いため、運搬にかかわる労力や時間なども考慮して考え、ご自分に合う処分方法を選ぶようにしましょう。
3.買い替えによる婚礼家具の処分
桐(きり)タンスは柔らかいため、傷つきやすい傾向があります。見栄えが悪くなり、新しいものに買い替えることもあるでしょう。状態がいいものなら、下取りしてもらえる場合もあります。
3-1.下取り・引き取り
購入した販売店に下取りや引き取りを依頼することもできます。メーカーでも対応している場合もあるので、上手に活用しましょう。
3-1-1.販売店の場合
販売店ごとに不用家具の引き取り条件は異なりますので、下記を参考にしてみてください。
ディノス
該当する大型家具を購入時に限ります。3万8000円(税抜き)以上の購入で、無料引き取り可能です。
IDC大塚家具
有料引き取りです。新しいものを配送時に引き取ります。大きさにより引き取り価格は異なりますので、事前に確認しましょう。
ベルメゾン
対象製品3万8000円(税抜き)以上購入および大型配送3500円(税込み)で無料引き取りです。購入したものと同種類のものだけを取り扱います。
3-1-2. メーカーの場合
各メーカーによる引き取りも条件が異なりますので、よく確認してから依頼しましょう。
アクタス
他社製品も取り扱い可能です。木材を再利用することで、ごみの削減に貢献しています。
LOVE VINTAGE
北海道の家具メーカー・カンディハウスです。使わなくなったものは引き取りまたは買取します。
3-2.販売店やメーカーの下取り・引き取りを利用するメリットとデメリット
粗大ごみの処分は、思っているより大変なもの。新しいものが来る前に処分しなければならないのも、面倒な理由です。販売店やメーカー経由で下取りや引き取りを利用する場合、ごみの処分費用がかからないのがメリットでしょう。購入した商品到着と同時に処分することもできます。
しかし、一定条件を満たすことが必要で、購入商品が限られてしまうのがデメリットです。
4. 自治体に婚礼家具の回収を依頼する場合
自治体のルールをご存じですか?大型家具でも取り扱いができますよ。費用をかけたくないという方には、自治体の粗大ごみがおすすめです。
4-1.粗大ごみ処分料は郵便局から振り込み
自分で粗大ごみを持ち込みするなら、事前に郵便局から手数料を支払いましょう。各自治体指定の料金を取り扱っていますので、必要な料金を振り込みして完了です。自治体のホームページを参照してください。振り込み後に粗大ごみ処理券を受け取り、わかりやすい場所に貼り付けます。
4-2.粗大ごみ処理はいくらかかる?
粗大ごみは、サイズによって処理費用が異なります。また、自治体によっても変動しますので、お住まいの自治体へ事前確認を忘れずに。特に、婚礼家具は重量もあるため、通常の家具より高めだと捉(とら)えておきましょう。重量とサイズを考え、2~3人で運搬しなければなりません。人員が確保できない場合は、安全に処理できる方法を選択してください。
4-3.自治体のルールで婚礼家具を処分するメリットとデメリット
費用負担を軽くしたい方にとって、自治体での処分は理想的です。しかし、自分で運ばねばならないなど、何かと手間と労力が必要で、面倒だという方が多いのも事実でしょう。
5.婚礼家具のリサイクルをしたいなら?
家の中でも場所を取る悪い印象ばかりが先行してしまいますが、婚礼家具は高級品です。いい品はやはり時間を経ても美しいもの。特に、高品質な木材を使った婚礼家具なら、リメイクして新たな品へと生まれ変わることもできるのです。
5-1.婚礼家具はどこで買取してくれる?
婚礼家具の買取は、家具買取専門店に依頼しましょう。不用品回収サービスでも買取してもらえますので、まずは気軽に査定を受けてみてください。リサイクルショップに買取を依頼するときは、事前にどのような婚礼家具か具体的に伝えるとわかりやすいです。
5-2.婚礼家具の買取方法や高額査定のコツ
売れる婚礼家具かどうかは、新しさとデザインがポイントです。古いものであれ、使いやすくきれいなら査定額も上がります。また、バラ売りするより、セットで買取依頼する方がいいでしょう。高く売りたいなら、一通り拭いてきれいにしておいてください。なるべく婚礼家具の取り扱いが多い業者を選びます。リサイクルショップには取り扱い強化品目がありますから、情報には常に耳を傾けておくといいでしょう。
5-3.婚礼家具のリメイクやリフォームは?
家具のリメイクやリフォームが人気を集めているのをご存じですか?婚礼家具は思い出が詰まった品ですから、あっさり捨てることはできませんよね。
5-3-1.DIYでタンスをリメイク
古めかしい雰囲気を脱却したいなら、カッティングシートを貼り付けてイメージチェンジしてみてはいかがですか?ホームセンターで入手可能で、100円ショップでも販売されています。好みのカラーをチョイスし、空気が入らないようゆっくり貼り付けましょう。
5-3-2.リフォーム業者に依頼する
婚礼家具のリフォームは、専門業者に依頼すると見違えるように変わります。高級品ですから、丈夫でしっかりしていて、リフォームしても十分使うことができるのです。食器棚・ベッド・ローボードなど、厚みと幅を調整して作り直します。婚礼家具は家具の彫刻が美しいものもあり、なるべく生かすようにリフォームしたら失敗ないでしょう。
5-4.婚礼家具をリフォームするメリットとデメリット
愛着ある品は、形を変えていつまでも使いたいと思いますよね。捨てればごみで、リフォームするなら気分もリフレッシュできるはずです。場所を取って困るという方にとって、規模の縮小が図れるリフォームはメリットがいっぱい。しかし、デメリットがあるのも事実です。デメリットは、費用がかかるということ。リフォームには、10万円以上かかることが予想され、家具の新規購入より高くなる傾向があるので、費用は念頭に置いておきましょう。
6. 婚礼家具の処分を回収業者に頼む場合
無理に、自力でどうにかしようと思わないことが、ケガと事故防止策です。何より重量があり、3つで1セットですから、回収業者に依頼する方がスマートでしょう。
6-1.婚礼家具の回収方法
買取という選択肢がなくなったら、処分やリフォームを検討する以外にはありません。不用品回収業者は、自宅査定した後に契約して回収という運びになります。査定額が満足いかない場合、強引な契約はありません。設置したまま、不用品回収業者が来るのを待つだけ。とてもシンプルで楽な方法です。
6-2.回収にはいくらかかる?
不用品回収業者の料金体系は、トラックに積み込み放題というお手軽なプランがあります。トラックのサイズに合わせ、3万円(税抜き)~ととても良心的です。1点だけを処分したい場合、基本料金3150円(税抜き)がプラスされます。
6-3.回収業者に頼むメリットとデメリット
不用品回収サービスは、近年右肩上がりにニーズが高まり、ほかにもいらないものがあれば、同時処分できるという大変便利なサービスです。1回ですっきり部屋が片付けられるのは、処分を望む方にとって朗報でしょう。
ただし、粗大ごみに比べて費用が高いデメリットがあります。手放してしまうため、リフォームしておけばよかったと後悔することがないよう、十分に考えてから処分してください。
6-4.注意すべき回収業者とは?
見積もりを出してもらうとき、きちんと内容を確認してください。複数の婚礼家具を処分するのに、まとめていくらという出し方や、作業内容が伝わってこない業者は要注意です。作業終了後に、積み込み費用の名目で余計な料金を追加されても困りもの。トラブルになってからでは遅いのが、不用品回収業者の注意点です。いくつかの不用品回収業者に見積もりを出してもらい、金額だけにとらわれずに比較することが大切でしょう。
7.婚礼家具でよくある質問
結婚という節目を飾ってくれた婚礼家具ですが、処分に困ることも多いものです。処分したらごみ、リフォームしたら再利用。どの道を選ぶかは、持ち主しだいです。
Q.吊(つ)り降ろし作業が伴う処分の費用は?
A.戸建て住宅だと、2階より高い場所に婚礼家具を設置している方もいます。階段からの運び出しが難しい場合、ベランダなどから吊(つ)り降ろしを行う場合もあり、別途料金が必要です。1万500円(税抜き)を見ておきましょう。
Q.桐(きり)タンスのリフォームでは引き出しも増やすことができる?
A.婚礼家具の多くは、桐(きり)でできた高級品です。材質がいいものなので、使い勝手のいい形に変えて使いたいという方もいます。引き出しを増やすことも可能ですし、好みの金具を取り付けでき、デザインの希望を伝えましょう。
Q.出張買取も可能?
A.不用品回収業者では、出張買取も対応しています。査定を受け、買取対象かどうかを判断してもらいましょう。買取ができない状態のものは、処分を依頼するなど、切り替えできるのが、不用品回収業者のメリットです。存分に生かしてください。
Q.桐(きり)タンスのリメイクを業者に依頼すると完成までどのくらいかかる?
A.リメイクやリフォームを取り扱う業者に依頼するなら、2~3か月を見ておきましょう。デザインや変更内容により、制作完了までの期間は前後します。事前によく話し合うことが大切です。
Q.どうしたら高く売れるのか?
A.古くなった婚礼家具より、新しいものの方が好まれます。きれいで状態がいい上に、デザインも今のニーズに近いからです。古くても、桐(きり)タンスは売れる家具だと覚えておいてください。よい品は、いつまでも輝きを放ちます。汚れやほこりは、拭き取りをしておきましょう。桐(きり)タンスは濡(ぬ)れた布で拭き取ります。ただし、高値で売れると決め付けず、需要があれば売れるだろうと気構えることが、思わぬ高値で喜びを感じられる要素でしょう。
まとめ
婚礼家具は、親から娘の結婚を祝い、最大の愛情が注(そそ)がれた品です。しかしながら、住宅事情やライフスタイルの変化に伴い、時代の流れとともに処分する傾向も出てきています。もし、引っ越しを機に処分せざる負えないようなら、リサイクルショップや不用品回収業者の買取依頼をしてみましょう。
もし、買取対象ではないなら、今の住宅に合う形にリフォームすることで、再び愛用することができるのです。愛着のある思い出の品は、処分前にどうしたいか、自分の意思を確認してから行いましょう。住宅を圧迫しているようなら、処分して新しい家具に買い替え、快適な生活環境を取り戻すことができます。いずれの場合も、今の暮らしに合うかどうかをしっかり熟慮することが大切です。