
【知ってる?】ペットボトルはリサイクルされると何になる? こんなものになります!
飲料や調味料の容器として活用されているペットボトル。ビンに比べて軽量で加工しやすいので、現在はいろいろなサイズのものが容器として使われています。また、ペットボトルといえばリサイクルゴミの代表格。ペットボトルをリサイクルゴミとして回収している自治体も多いです。
では、ペットボトルをリサイクルすると何になるのでしょうか? そこで、今回はペットボトルのリサイクル用途についてご説明します。リサイクルゴミとして回収されたペットボトルはどのようなものに生まれ変わるのでしょうか? リサイクル活動に興味がある方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。
1.ペットボトルの原料は?
ペットボトルとは、プラスチックの一種であるポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)からできています。このポリエチレンテレフタレートを英語で表記すると、その頭文字がPETになるためにペットボトルと呼ばれているのですね。「ポリエステルって繊維の一種では?」と思う方もいるでしょう。ポリエステルも石油からできたプラスチックの一種。ですから、繊維状に加工すると布の原料になり透明な板状に加工するとペットボトルの材料になるのです。
2.ペットボトルがリサイクルに向いている理由は?
世の中にはたくさんのプラスチック製品があります。その中で、なぜペットボトルがリサイクルを推奨(すいしょう)されているのでしょうか?
この項では、その理由をご説明します。
2-1.色がついていない
ペットボトルはラベルなどが印刷されているビニールをはがしてしまえば、無色透明。実は、プラスチックは色がついているとリサイクルしにくいのです。ビンのリサイクルも、緑色に色付けされたワインのビンは対象外というケースも多いでしょう。ですから、ペットボトルはほかのプラスチック製品に比べて、リサイクルしやすいのです。
2-2.汚れにくい
ペットボトルのほとんどが、飲料や液体を入れる容器として利用されています。ですから、食用油などの一部をのぞいて汚れや匂いがつきにくいのです。リサイクルするためには、汚れや匂いを丁寧に落とさなくてはなりません。ほかのプラスチック製品は、その工程にお金がかかることが多いのです。
2-3.劣化するまで使われない
基本的に、ペットボトルは使い捨てです。ほかのプラスチック製品のように、劣化するまで使われることはまれでしょう。つまり、まだまだ新品同様のうちに捨てられるのです。ですから、回収して再利用も安価でできます。
3.リサイクルされたペットボトルは何になるの?
では、リサイクルされたペットボトルは何になるのでしょうか?この項では、ペットボトルからリサイクルされた製品をご紹介します。
3-1.新しいプラスチック製品
リサイクルされたペットボトルの一部は新しいプラスチック製品になります。私たちの身の回りには、プラスチック製品がたくさんあるでしょう。スーパーのかごや化粧品や洗剤の容器、文房具などもプラスチック製品のものが多いです。その中のいくつかは、元ペットボトルかもしれません。
3-2.繊維製品
前述したように、ペットボトルの原料はポリエステルです。ですから、ペットボトルをリサイクルして繊維製品を作ることも可能。「ペットボトルからリサイクルされました」とわざわざ銘打った(めいうった)ワイシャツやスーツを見たことがある人もいると思います。また、服だけでなく布製のカバンやマットなどにも再利用されるのです。
3-3.ペットボトル
ペットボトルをリサイクルしてまた新しいペットボトルを作ることもあります。これを「ボトルtoボトル」というのです。ペットボトルは衛生上、ビンのように洗浄して再利用は行いません。いったん原材料まで戻して、新しいペットボトルを再生するのです。ですから、衛生的できれいなペットボトルが再び作れます。
4.エコキャップ活動とは?
さて、このように何度もリサイクルが可能なペットボトルですが、残念ながらリサイクルが可能なのは本体だけです。同じくプラスチック製のキャップは色がついているものが多いうえに材質もいろいろありますから、リサイクルが難しいといわれてきました。ですから、ペットボトルのキャップは燃えないゴミとして、別に処分されてきたのです。それではもったいないということで、ペットボトルのキャップを集めて発展途上国の子どもへワクチンを送ろうと始まったのが「エコキャップ活動」になります。手軽に始められるボランティアということで、小学校や幼稚園でも盛んに行われるようになりました。
テレビなどでも取り上げられたため、エコキャップ活動は全国に広まったのです。この運動の母体となっているのが、NPO団体である、エコキャップ推進協会。しかし、2013年9月以降にキャップを売却した利益をワクチン代として寄付していなかったことが明らかになりました。
この問題は今も解決していません。また、キャップ1キロの売却額がわずか10円にしかならないことから、「エコキャップ活動」は効率が悪すぎるのではないか? という疑問の声も上がっています。
5.ペットボトルをリサイクルする際の注意点は?
では最後に、ペットボトルをリサイクルゴミとして出す際の注意点をご紹介します。ぜひ参考にしてください。
5-1.ラベルをはいでキャップを外して出す
リサイクルの対象になるのは、ペットボトルの本体だけです。ですから、ゴミに出す際はラベルをはぎ、キャップを外して出しましょう。飲んだそのままの状態でゴミに出すと、処分場で余計な手間がかかります。
5-2.さっと流水で洗って出す
ペットボトルは処分場で洗浄されますが、さっとでも流水で洗っておけば洗浄も短時間で済みます。特に、ジュースなどの甘い飲料やみりんなど糖分が入ったものはべたべたしますので、しっかり洗っておきましょう。
5-3.汚したものは燃えないゴミへ
リサイクルの対象になるのは、きれいなペットボトルです。灰皿代わりにしたりおもちゃにしたりして汚したペットボトルは燃えないゴミに捨てましょう。ただし、工作などで切り刻んだものは問題ありません。ラベルさえはいでおけば、バラバラになったものでもリサイクルゴミに出せます。また、色水などを入れて着色したものも出せませんので、注意してください。
おわりに
今回は、ペットボトルのリサイクルについてご紹介しました。
まとめると
- ペットボトルは洋服の素材でもあるポリエステルで出きている。
- ペットボトルはリサイクルされて新しいプラスチック製品やポリエステル製の服などになる。
- リサイクルされるのは本体だけで、キャップやラベルは燃えないゴミになる。
ということです。
ペットボトルだけを分別して別のゴミに出すのはめんどうくさいという人は、スーパーなどで回収しているところもあります。このような場所を利用すれば、曜日に関係なくペットボトルがたまったら持っていけるでしょう。また、外出先で使ったペットボトルは、きちんとペットボトル用のゴミ箱に捨ててください。コンビニの前や自販機のそばに、専用のゴミ箱が備えられていることが多いでしょう。ペットボトル入りの飲料を全く飲まないし買わない、という方はごくわずかだと思います。限りある資源を大切にするためにも、分別をしっかりとしましょう。