
重い荷物の上手な運び方は? 楽に運ぶために知っておくべき4つのポイント
引っ越しや部屋の模様替えなど、重い荷物を運ぶ機会は意外と多いものです。しかし、重い荷物を力任せに運ぼうと思ってもうまくいきません。それどころか、腰やひざを痛めてしまうでしょう。
そこで、今回は重い荷物を体に負担をかけずに運ぶコツをご紹介します。重い荷物には、運び方があるのです。それさえ分かっていれば、重い荷物も楽に運ぶことができるでしょう。また、引っ越しのときに運びやすい荷物の作り方もご紹介します。興味がある方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。
1.こんなに荷物の持ち方は危険!
重い荷物の持ち方をご紹介する前に、危険な荷物の持ち方をご紹介します。こんな持ち方をすると腰に負担がかかり、最悪の場合けがをする恐れがあるのです。
1-1.力任せに持ち上げる
重い荷物を力任せに持ち上げると、体全体に無理な力がかかります。荷物を持ち上げるのは、重量あげではありません。たとえ持ち上げられても、それをどこかへ運ぶのは大変です。
さらに、無理をしようとすれば荷物を落としてしまうかもしれません。それが足の上だったりしたら最悪でしょう。また、持ったものを壊してしまうかもしれません。
1-2.上体を折り曲げて荷物を持ち上げようとする
低いところにある荷物を持ち上げる際、腰を折り曲げて荷物を持ち上げようとする方は少なくありません。しかし、これではすべての負担が腰にかかります。このような持ち方をすると、腰を痛める確率がかなり高まるでしょう。荷物を運んだ後で「腰が痛くなった」と思うくらいならまだよいです。
最も怖いのがぎっくり腰。これは発症した瞬間に、立てなくなることも珍しくありません。引っ越しの最中や就業中にぎっくり腰になれば、あとあとまで大変です。
1-3.複数の荷物を一気に持ち運ぼうとする
一見するとそれほど重そうに見えないもの、というのはかなり多いのです。荷物を何度も往復して運ぶのは面倒くさいでしょう。しかし、だからといってたくさんの荷物を一度に運ぶと、重心が上の方へ行ってしまい軽いものでもかなり運びにくくなります。
また、大きな荷物に小さい荷物を載せて運ぼうとしても、総重量が重くなるほど運びにくくなるでしょう。その結果、腰を痛めたり荷物を壊してしまったりします。
2.重い荷物を上手に運ぶには?
では、重い荷物を上手に運ぶポイントはいったいなんでしょうか? この項では、重い荷物を楽に運ぶ方法をご紹介します。
2-1.荷物は対角線上を持つ
重い荷物も力のかけ方によっては、楽に運べるのです。重い荷物を入った箱を運ぶ場合は、片方の腕で段ボール上部の奥をつかみ、もう片方の手を段ボール下部の手前に置きます。つまり、両手を結ぶと対角線が描けるように箱を持つのです。
一見すると持ちにくそうに思えますが、一番安定した持ち方になります。持つ場所がある場合も、このような持ち方にしてみましょう。
2-2.身長と筋肉量が同じくらいの人がペアで運ぶ
ソファーなど大きなものを運ぶ際は、二人がかりで運ぶとよいでしょう。このとき、慎重と筋肉量が同じくらいの人同士でペアを組みます。身長差が10センチ以上あるとどちらかが非常に持ちにくいです。
また、男女のように筋力に差がありすぎる者同士が組んでも、持ちにくいでしょう。ですから男性なら男性同士、女性なら女性同士でペアを組んでください。
2-3.荷物を楽に持ち運べるグッズを利用する
両手で荷物を持つと、10キロくらいのものを持つのがせいぜいです。しかし、両肩に重さを分散させ、背筋と腰の筋肉で荷物を持ち上げると60キロ近くの荷物も運べるでしょう。その仕組みを利用したのが背負子(しょいこ)と呼ばれる昔ながらの運搬用具と、リュックサックです。
この仕組みを利用して、肩と腰にベルトをまき体の前で荷物を支えられるグッズも出ています。どうしても重い荷物をひとりで運ぶときは、グッズを利用しましょう。縄一本あれば、おんぶ紐(ひも)の要領で、ものを背負ってしまう人もいるのです。
2-4.腰を下ろして荷物を持ち上げること
床に置いてある荷物を持ち上げる場合、腰を落としてしっかりと荷物をつかんで声をかけながら立ち上がりましょう。こうすることで、腰だけでなく太ももと背筋にも重みが分散します。
また、声をかけることで筋肉に力が入りやすくなるでしょう。より持ち上げやすくしたい場合は、重い荷物を一度机の上などに置いたあとで、改めて持ち上げてください。
3.運びやすい引っ越し荷物の作り方
この項では、持ち運びしやすい引っ越し荷物の作り方をご説明します。ぜひ参考にしてみてください。
3-1.重い荷物は小さい箱に詰める
引っ越しをする際は、業者から大小の段ボールをもらうことも多いでしょう。大きな段ボールには軽いものを、小さい段ボールには重いものを詰めてください。大きな段ボールに重いものを詰めると、持ち上げられなくなります。
特に、詰めこむと見た目以上に重くなるのが本と食器です。食器は壊れやすいので、緩衝材と一緒に詰めて重量を抑えてください。
3-2.かさ張るものには持ち手をつける
衣装ケースなどは、そのまま運ぶことも多いです。しかし、かさ張ってつるつるしたものは持ちにくいでしょう。このようなものにはひもをかけて持ち手をつけましょう。スーパーで配っているプラスチック製のもので大丈夫です。持ち手がつくだけで、持ちやすさがまるっきり変わってきます。
3-3.重いものは下へ詰める
ひとつの箱の中に重いものと軽いものを詰める場合は、重いものを下に置きます。そうすれば、重心が下にさがって持ちやすくなるでしょう。ですから、パッキングをするときはまず重いものから詰めていきます。
3-4.万が一腰を痛めたら?
重い荷物を持った瞬間腰に激痛が走ったら、無理をしてはいけません。まずはゆっくりと荷物を起こし、横になれるなら横になりましょう。ぎっくり腰は腰の筋肉のねんざです。ですから、すぐに動かず、まず痛みがおさまるまで待ちます。このとき、決して暖めてはいけません。
ねんざは冷やすことが大切。冷却材などがあるならば、それを腰に当てていましょう。痛みがやわらいだら、ゆっくりと移動して整形外科へ行ってください。激痛が走ってどうにもならない場合は救急車を呼びましょう。
おわりに
今回は重い荷物の運び方についてご説明しました。
まとめると
- 重い荷物はひとりで無理に持たない。
- 腰を落として太ももと背筋も使って持つ。
- 荷物は対角参上を持つ。
- 服や食器などはできるだけ小さな箱に詰める。
- ぎっくり腰になったらまずは冷やす。
ということです。
特に、単身者の引っ越しの場合は料金節約のために自分でパッキングする人も珍しくありません。そのときに、「段ボールも節約しよう」とばかりに、何でもかんでも詰めてしまうと大変なことになります。
特に、本や食器を入れる段ボールは下も補強しておきましょう。単に荷造り用のテープを張っただけでは、持ち上げたときに底が抜ける恐れがあります。本は、1冊が数百グラムですが、一番小さな段ボールにぎっちり詰めただけでも10キロ近くになるでしょう。それを忘れないでください。