ゴミ屋敷が出現する原因とは? 対処と片付けの方法

3.ゴミ屋敷の原因とは?

3-1.ゴミをためこむ原因

ゴミ屋敷の住人は高齢のひとり暮らしが多いことから、主に以下のような原因が考えられます。

3-1-1.社会的原因

ゴミ分別の困難

ゴミ出しのルールが複雑化しているため、ゴミの出し方がわからない人が増えています。完璧主義のためか「あとできちんとやろう」と考えてひとまず置き、そのまま放置してしまうことも多いのです。

使い捨て社会

使い捨て前提で作られ、長持ちする物がない社会になりました。しかし、高齢世代は半分壊れた物でも、まだ使えるという理由で捨てられません。また、安い値段で新しい物が買えるため、次々に物が増えていきます。

孤立による不安

高齢者は体調不良で買い物に行けなくなるなどの不安から、生活必需品や食料を必要以上に買う癖がつき、使いきれないことが多いようです。

来訪者がいない

長期にわたる独居生活では文句を言う人がおらず、来客もないので散らかった状態が平気になってしまいます。

3-1-2.個人的な要因

セルフネグレクト

セルフネグレクトとは、生活するうえで必要な能力や意欲が低下し、自分の心身の安全や健康の維持ができなくなる自己放任の状態を指します。ゴミが散乱する汚い部屋で、極端に汚れた着衣のまま過ごし、食事も適切にとらず、生命の危険に陥ることも少なくありません。家族の喪失や仕事のストレスなどをきっかけに、若い人にも起こることがあります。
セルフネグレクトの高齢者に関しては、2010年の内閣府による全国調査のデータが参考になるでしょう。セルフネグレクト状態になった理由と背景について、家族や高齢者支援員が自由回答したものを分類・集計した結果は以下のとおりです。

  • 認知症やほかの精神疾患の問題:28.3%
  • 親しい人との死別:27.5%
  • 家族や地域などからの孤立、人間関係の悪化:25.4%
  • 病気・けがなど身体症状の問題:18.8%
  • トラブルや事故の経験:16.7%
  • 攻撃的・頑固であるなど、交流しにくい性格:16.7%
  • もとから片付けや掃除が苦手な性格:7.2%

体がしんどい・手や腰が痛いなどの状態では、片付けやゴミ出しが困難です。高血圧や心臓疾患などの疾患があるのに通院しない人・けがや体が痛いなどの場合でも受診しない人は、セルフネグレクトの高齢者では2割から3割おり、体の不調が精神状態にも関連することが見て取れます。受診しない理由は、医者不信やひとりで通院できないこと、保険証や財布・預金通帳を紛失しており、お金があっても使えないことなどです。

ためこみ障害

ためこみ障害とは、過剰に物を収集し、整理や処分が困難になり、極度に散らかった生活空間が本来の機能を果たせず、苦痛や重大な障害となっている症状を指します。この「ためこみ(ホーディング)障害」は、アメリカ精神医学会による診断基準DSM-5で、独立した項目になりました。ためこみ行為以外の精神症状がなく、従来精神科治療の対象外だった人についても、「ためこみ障害」という精神疾患として扱うことが認められたのです。

ためこみ障害では、実際の価値とは無関係に、本人の感傷や妄想的な思い入れが異常な収集の動機となります。十分に物がなかったり、逆に乱雑な家庭で育ったりといったことも要因のひとつです。虐待や、対人関係のストレスなどが発症と悪化につながることも報告されています。

ためこみの傾向は若いころに現れるのが通例ですが、家族と同居している間は抑制が利くことが多いでしょう。ひとり暮らしになると、お金と空間が自由に使え歯止めが利かなくなることと、孤独や不安感をためこみ行為によって埋めることから悪化すると考えられています。
また、ためこみ障害の人は情報処理のプロセスにも問題があるようです。たとえば、大事な物を収納の手前やテーブルに積んだ物の一番上など、目につくところに置くルールに従い続け、以前の物を思い出して整理する意識がないため、大量に積もることになります。
ためこみ障害の人は、物が完璧主義や安心感を満足させてくれる唯一の対象となり、捨てる行為が苦痛です。しかし同時に、大量の物の処理に困り、苦痛を感じるという相反した感情が特徴としてあげられるでしょう。

ディオゲネス症候群

ディオゲネス症候群とは、セルフネグレクト・不衛生・引きこもり・感情鈍麻・ためこみ障害・恥の感情の欠如、これらのすべての症状を、極端な状態で合わせ持つこととされています。医療や心理の専門家の間では、まだ定義や扱いについて議論している段階です。一般には、ゴミ屋敷の住人に当てはまると言われ、主にメディアで話題になっています。

その他の原因

セルフネグレクトやためこみ行為は、ほかの精神疾患との併存率が高いとの報告があります。抑うつ状態・認知症・社交不安症・統合失調症・強迫性障害・アルコール依存症・人格障害などの症状のひとつとしても現れるものです。被害妄想や幻聴などの精神症状のために人間関係が悪化したり、引きこもりになったりするほか、発達障害のために片付けができない場合もあります。

捨てられないという病気について

物が捨てられない人は、捨てる行為にネガティブな感情を抱いてしまうことがわかっています。物を捨てると、愛着のため引き裂かれるようなつらい感情を持ったり、後悔したりするのです。ためこみ障害の治療は認知行動療法が良いとされていますが、プログラムとして実施する医療機関はほとんどありません。
一度部屋を大掃除してリセットしても、放置すると汚い部屋に逆戻りを繰り返してしまいます。根本的に改善するには、物の収集をがまんすることと、捨てる行為に自ら取り組み、慣れていくことが大切です。孤立した状態での改善は望めないため、人の支援や介入が必要になります。家族と感情的な対立がある場合は、ヘルパーなどの定期訪問のほうがうまくいくことが多いでしょう。

4.ゴミ屋敷の解決方法

4-1.相談窓口

4-1-1.警察・救急・保健所

セルフネグレクトは生命の危険があることから、高齢者虐待に準じるものとして、警察など関係機関が関与すべきという認識ができつつあります。自傷の恐れなどがあり、強い拒否で家にたてこもっている場合は、警察や救急に通報するのが良いでしょう。体がつらくて医師や保健師の訪問だけは受け入れるという例もあり、危機が保健所の介入のチャンスとなることもあります。

4-1-2.自治体の支援窓口

地域包括センターや自治体の保健福祉または高齢者福祉の窓口で支援について相談できます。介護保険の認定、施設入所やデイサービスの利用も検討材料です。介護保険だけではなく、自治体独自の高齢者や障がい者支援のサービスや、医療保険で受けられるサービスについても情報を集めましょう。

4-1-3.病院・クリニック

継続した治療が必要なのに通院していないことや、精神の障害が隠れていることがあるため、付き添って受診することが大切です。状況によっては障がい手帳の診断書や介護保険・訪問看護の意見書などを書いてもらい、ヘルパーによる通院介助や訪問看護などを手配します。

4-1-4.弁護士や司法書士

ゴミ屋敷の住人は金銭管理ができない人が多いものです。成年後見人をつけたほうがいい場合は、家族が公証人役場で申請するか、弁護士や司法書士に申請を依頼します。

4-2.片付け方法

ゴミ屋敷状態になっている家は、すべてのゴミを片付け、リセットする必要があります。物が捨てられない人は強い拒否感を示しますが、本人を遠ざけて黙って行うのは得策ではありません。その後に強い不信感と確執が残ることで状況が悪化するかもしれないからです。なるべく必要性を理解してもらい、少しでも自分の判断で掃除をしたという意識を持ってもらいましょう。
片付けにあたっては、引き出しや扉のついた収納を減らし、オープンラックなどの見える収納を中心にすると整理しやすくなります。

4-3.プロに頼んだほうが良いケース

ゴミ屋敷と呼べるほどの状態では、ゴミの分別や運び出しに大変な時間と労力がかかります。大事なところは本人と支援する人が一緒に片付け、あとは片付けのプロに頼むのが良いでしょう。

4-4.業者選びのポイント

ゴミ屋敷の片付けは、以下のポイントに対応できる業者を選ぶと良いでしょう。

  • 分別していないゴミを搬出してくれる
  • トラックに積み放題など、定額料金がある
  • 家電リサイクル対象品目(冷蔵庫・テレビ・洗濯機・エアコンなど)も引き取れ、回収できる品目に制約が少ない

このような業者に一気に片付けてもらい、今後の生活を快適にするための相談や手続きに注力しましょう。

みんなの評価 
1 Star2 Stars3 Stars4 Stars5 Stars (まだ評価されていません)
Loading...
※5段階の簡単評価です。★を選択することで誰でも簡単に評価できます。
365日年中無休不用品の片付け・整理がどこよりも安い!